今の入居者はこのような間取りに対して「玄関ホールのないのはプライバシーがないのでダメ」「冬場、出入り際に北風とほこりが食卓に入るのでダメ」といいます。
以前はそのようなことをいう入居者は少なかったです。なぜなのでしょうか?
外廊下を歩くと、今日は2件となりはカレーライスですか。食べたくなった。間に合えば、うちもそうしよう。
となりはさんまですか。ほっけ美味いですよ。そんな暮らしでした。
理由は明確です。そのような賃貸住宅がなかったからです。なければ、賃貸住宅だから当然で済んでいました。
近年、建てられた賃貸住宅で「玄関ホールのない」という間取りは皆無といっても過言ではありません。インターネットで「建築5年以内」で検索すれば、
「玄関ホールばかりです」一目瞭然です。
“玄関ドア開けばダイニングの図”
今回は今は新築では皆無といっても過言ではありませんが以前は共同住宅の大半を占めていました「2DK」間取りのリノベーションにチャレンジします。
【40平米2DKの悲劇】
今から25年ほど前、いわゆる四半世紀前は迷ったらパジェロという言葉が全盛期でした。多くの自動車評論家が記事に使っていました。一昨年亡くなった某評論家の方もおっしゃっていました。車はせいぜい6年なので大きな問題になりませんでした。中古自動車市場も確立しています。中古車として売却すればいいのです。
しかし、当時、賃貸住宅においても迷ったら2DKでした。ここに信じられない「悲劇」がありました。
実例として、ご説明します。
なんと、25年前の家賃が55,000円、今は33,000円という現実です。あくまでも募集家賃ですので現実は25年前の家賃は50,000円、今は30,000円ということです。新築時の家賃4割ダウンです。建築後10年で外壁塗装、その後、5年ピッチでリフォーム、大変、きれいなアパートです。そのアパートの家賃が30,000です。アパート経営のプロが提示している家賃です。
「アパート経営のプロ」が誰なのか?お分かりにならない方はメールでお問い合わせください。衝撃の事実をお伝えします。
今回のリノベーションは募集家賃45,000円を目指します。
※現状の間取り
~この間取りになった経緯~
新築時においては浴室内に洗面器がありました。それまではキッチンシンクで歯を磨いていたのです。キッチンシンクからの分離でした。キッチンでは歯を磨かない。それだけで衛生的な心地よさがありました。
足元が濡れる、不安定な姿勢では使いにくいという理由で空室の原因になるというので「洗面化粧台」に変更しました。
一般住宅でも使われる幅が75センチタイプです。その際に洗濯機をダイニングキッチンに移動しました。洗濯機の周りには洗剤、洗濯かごが置かれることをご存じないのですか?洗濯機置き場が他にないからしょうがないでは済まされません。プロとして考えてほしかったです。
和室では入居希望者に敬遠されるという理由で洋室に変更されました。
私たちは物件を精査しました。寸法を知ることで何かヒントを得たいと直感的に思いました。何度も採寸しました。考えて、確認をしました。
①キッチン背面に壁を設けることで食器棚が配置できるようになりました。幸いに窓があるので明るさもバッチリです。
②DKに洗面化粧台を設けました。
ここで問題が発生しました。風呂上りの髪の手入れはすぐにしたいという声です。